薬学会年会大学院生シンポジウム
このblogは留学をテーマに書くつもりですが、研究者として大きく飛躍するきっかけの1つになった薬学会年会の大学院生シンポジウムについて書かせていただきます。
薬学会では大学院生がオーガナイザーを務めて、シンポジウムを企画する大学院生シンポジウムというものがあります。勿論、シンポジストも大学院生です。
私は2回オーガナイザーを務め、シンポジストとして2回発表しました。1度目の発表は、2017年仙台で開催された第137年会の自分で主催したシンポジウムであり、2度目の発表は2018年金沢で開催された第138年会の薬剤・動体系の方々が主催したシンポジウムにゲストの形で発表する機会をいただきました。
2017年第137年会
オーガナイザー兼シンポジスト
循環器研究の最前線と新展開~心血管疾患におけるブレイクスルーを求めて~
演題名:血流改善は神経障害性疼痛の緩和に有用か
2018年第138年会
オーガナイザー
多角的視点から膜タンパク質機能とその創薬への応用を探求する
シンポジスト
ポストゲノム時代の創薬を目指して~タンパク質にできること・タンパク質ならできること~
演題名:神経障害性疼痛に随伴する皮膚血流障害の改善による新規治療法の確立
このシンポジウムを通して感じたことを幾つか書きたいと思います。
オーガナイザーを務めるにあたり、一番最初に感じたのは「どんなテーマのシンポジウムがやりたいか」
自分軸でこれについて考えるだけなら、興味のある内容のシンポジウムにすればいいわけですが、実際はシンポジストと聞きに来るフロアの人達の3視点で考える必要がありました。シンポジストが発表する意義があると思えるテーマかつ学会としてもニーズが高い内容にしなければいけないからです。
シンポジストとして発表するときには第137年会と138年会ではプレゼンテーションにおいて重要視することは異なりました。
第137年会は循環器をメインテーマに掲げていたため、薬理関係の人達を対象とした発表形式でスライドを作成しました。137年会は普段の発表の延長線上にあるため、そこまで苦労しませんでした。
一方で、138年会では薬理について全くわからないような人達に説明することを意識しました。オーガナイザーやシンポジストの大半が薬物動態や薬剤の専門家でした。そのため、会場にいる人達は自分の研究に興味があって足を運んだわけではないので、関心がない人達に「如何にして自分の研究が面白いのか、価値があることかの理解に重点を置きました」。
このように、全く異なるシチュエーションでの発表の経験によって、研究者としての幅が広がったと実感しています。
この記事を読んでいる学生の人達に僕からメッセージを送りたいと思います。
是非、大学院生シンポジウムのオーガナイザーをやってください!特に、アカデミアの道に進むことを考えている人は是非です!!!
アカデミアに進んだら、シンポジウムに呼ばれる側でなく呼ぶ側として周囲の研究者を巻き込む力があった方が良いですし、何より他大学の同世代の院生と学生時代から太いパイプを持っているのは将来の役に立ちます!!発表することでサイエンスの観点から得られることは多いと思いますが、それ以外の要素もたくさんあります!!!
オーガナイザーを務める方々へフロアに聴衆を集めるコツを1つ伝授するなら、、、、、シンポジウムの発表開始時刻は重要です。
午前中は絶対に避けてください!!登録の際に希望時刻を提示できるのですが、1日目あるいは2日目の午後にしてください!3つのシンポジウムや他の人達のシンポジウムを見て、間違いなく言い切れます!!
オーガナイザーを考えている人達は気軽にご連絡ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。