ビックラボに留学するのが必ずしも良いか?
やっぱり留学するなら世界を代表するようなビックラボに行きたいですよね?!
ちょっと待った!!!
必ずしもビックラボが良いとは限らないぞ!!
この記事ではビックラボとスモールラボの長所と短所について考察していきたいと思います。
まずはビックラボについて!!
ビックラボの良いところはなんと言っても研究設備が整っているところや、潤沢な資金を背景に最先端のサイエンスを遂行しているところではないでしょうか。
ビックラボに留学するメリットはここで詳しく書かなくても皆さん把握されていると思うので遠慮させていただきます。
逆にデメリットは何でしょうか?
実は、上記の内容と矛盾することが起こる可能性があります。
留学して与えられる研究テーマが本当に自分の望む内容でしょうか?留学先のラボで重要なものでしょうか?ビックラボに所属する研究者は優秀な人達ばかりです。
P.I.の立場で考えてみると、必死になって書いたグラントで獲得した資金をいきなり現れた日本人に任せたいとは思わないでしょう。
以前の記事でも書きましたが、P.I.の信用を得るためにはある一定の留学期間と相手を満足させる結果を提示する必要があります。それができずに帰国すると、英語が上手くなって帰って来ただけになってしまうかもしれません。
ビックラボに行くのも競争は激しいですが、留学してから良いテーマをいただくのはそれ以上に厳しいのです。つまりは、よほど素晴らしい結果を出さなければ、P.I.にとって自分は月並みな弟子で終わってしまうのです。
次に、スモールラボについて考察していきましょう!
スモールラボのデメリットはお金がないため、研究設備等が充実していないことです。
多くの研究者が望んでいく場合が多くはないので、周りの研究者から得られる知識や経験もビックラボに比べたら少ないかもしれません。また、全てのP.I.に該当するわけではないですが、アメリカはgrantをとるために創造力や実績などが重要視されるためスモールラボのP.I.はビックラボP.I.に比べて実力がないかもしれません。
しかし、そのような背景だからこそスモールラボのメリットが生まれます。
数少ない戦力として留学するわけですから、P.I.は自分のことを大事にしてくれます。
僕は自分でgrantを持って行ったこともあって、自分の望む研究させてくれましたし、discussionの時に意見も聞いてくれました。また、meetingも回ってくるスピードが早いため、プレゼンの機会もたくさんありました。最終的には結果を出していたので「stay here」の一言をいただくことができました。
スモールラボでもラボを立ち上げたばかりで、将来有望なP.I.になるような若手の研究者やビックラボから独立し、そのラボの研究の流れを引き継いでいるようなラボであればポスドクやドクターの学生として信頼関係を築き、序列の高い弟子になるのは次のステップとして有用だと思われます。
ビックラボ・スモールラボどちらもメリットとデメリットが存在するため、理想だけで考えるのではなく、自分の今の実力や留学の事情などを踏まえて判断することをお薦めします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。